和菓子と年中行事
日本の年中行事には、和菓子が重要な役割を担う場合が数多くあります。ここでは、年中行事に関係する和菓子をいくつかご紹介いたします。
菱餅、ひなあられ(ひな祭り)
菱餅は、もともとお正月の鏡餅であるとされています。初めは2色でしたが、明治時代に現在の3色になったようです。菱形の由来は、菱の実を模したとも人間の心臓を模したとも。
色の意味については、以下のように諸説あるようです。
白:雪or清浄
紅(ピンク):桃の花or魔よけ
緑:大地or健康
ひなあられについても、その由来についてはいくつかの説があります。基本的に菱餅と同じ配色ということを考えると、菱餅を砕いて作ったのが始まりという説が有力か。
地域によって味や形が異なり、関東はお米を炒ったもので甘く、関西は丸い形のあられでしょっぱいという違いがあります。
牡丹餅、おはぎ(お彼岸)
彼岸という場合は春、後の彼岸というと秋のものを指すといわれています。
彼岸とは、春分・秋分の日とその前後3日間を合わせた7日間をいいます。この時期にお墓参りをするわけですが、お供え物として持っていくのが「牡丹餅(ぼたもち)」と「おはぎ」。
この両者、どこが違うかについて問題になります。微妙に大きさが違う、粒餡とこし餡の違いだなどとまことしやかにいわれますが、実はどちらも同じもの。春に牡丹の花が咲くので「牡丹餅」、秋に萩の花が咲くので「おはぎ」という、それだけの違いなのです。
柏餅、ちまき(端午の節句)
端午の節句とは、月の初めの午(うま)の日を意味します。中国では悪い日であるとされ、魔よけの行事が行われていました。その行事が勇ましいこともあって、男の子の日に転じたとされています。
5月5日である理由は、
端→初め
午→5
から「毎月5日」を指していたものが、語呂もあってこの日に落ち着いたとされています。
柏餅とちまき、どちらも端午の節句のときに食べる風習がありますが、前者が日本のオリジナルであって、後者は中国から伝わってきたもの。
柏餅には子孫繁栄の意味が込められています。柏の葉には「新芽が出ない限り古い葉が落ちない」という性質があり、それにあやかって江戸時代のころから食べられるようになりました。
ちまきを食べる風習は、中国の物語に出てくる英雄の命日(5月5日)に供えられたことに由来します。
月見団子(月見)
月見とは、旧暦8月15日(中秋=十五夜)と、旧暦9月13日(十三夜)の夜の月を見ることを指します。中国の行事であって、平安時代に日本に伝わりました。初めは里芋の収穫を祝う行事だったとか。月見に欠かせないのがススキと団子。なぜ団子を供えるようになったのでしょう。
もともとそのような風習はなかったのですが、穀物の収穫を祝う意味を込めて団子を供えるようになったとされています。
団子の数も12個というのが一般的。毎月一度は満月になり、それを年単位で考えてこの数となっているそうです(うるう年は13個)。


